"Dead Media"

Bruce Sterling & Richard Kadrey

 

Bruce Sterlingによる"The DEAD MEDIA Project: A Modest Proposal and a Public Appeal"について。

われわれの文化は、新種のメディアという放射能をあびている。中央集権化された、恐竜のように古臭い、一者から多者へと向けられるメディアが20世紀を通じて咆哮をあげつつ暴れまわっていたのだが、それらはポストモダンのテクノロジー環境にはうまく適合していない。ニューメディアの環境は、のしのしと歩き回る牙の生えたデジタル哺乳類の方に優しいのである。

われわれは、自分たちがこうしたニューメディア・テクノロジーを使って自らに何をしているのかまったく自覚していないし、問題を議論する首尾一貫した方法すらもちあわせない。こうした状況に対し、何かしら建設的なことがなされるべきである。

メディアの失敗、メディアの崩壊、メディアの過剰、メディアの絞殺について書いた本が、われわれには必要なのだ。グロテスクで醜悪なメディアの失敗を詳細に伝え、十分にそれを知ることでわれわれに失敗を繰り返させないような本が。それは、テクノロジーの進歩という有刺鉄線の上で死んでしまったメディアについての本であり、成長することなく犠牲とされたメディアについての本である。それはつまり、「死んだメディアのハンドブック」であり、コミュニケーション古生物学者のためのナチュラリストのフィールド・ガイドなのである。(オルガ・シシュコ)